現代人の常識

思想を知らない人というのは、現代という空気感の思想に生きている人だと思う。

だから、彼ら彼女らが、まったく思想というものを軽蔑して、現代的唯物論のなかで合理的に、自らの経験だけに基づいて真っ当に生きていると考えているならば、それはあながち間違いではない。

 

残念ながら、実際には、そういう人たちが自ら獲得したと考えている一種の人生観は、ニーチェの粗悪なコピー品のように見えることが多々ある。

 

現代人の思想に深く根をおろしているのは、

1)フロイト

2)ダーウィン

3)ニーチェ

これら三人の思想であって、知らず知らずのうちに、彼らが発明した強力な世界観のうちにのみこまれているのが、現代の人間たちなのである。

 

こうした思想はとくに、若い女性に最悪の影響を及ぼしていると言わざるを得ない。

女性というのは、うまれながらにして優生学者であって、それは必要なことではある。しかしそれは理屈なしに行われるから良いのであって、社会が組織的に行えば、それは激しい批判にさらされる。結局、人間という種の健全な発展は、女性の自由意志によって正当化され、守護されてきたのである。

 

本質的に、女性が優生学者であるからこそ、女性には一層の倫理教育が不可欠であった。というのも、人間は自らの動物的本能に抗う手段を得てはじめて人間たれるからである。それなのに、現代の思想というのは、人間の動物的本能以外に実在的な価値というものは一切存在しないという命題を打ち立ててしまって、一切の精神的反省というものを排除してしまった。

 

結局、先進国の衰退の原因は、こうした思想がもたらす女性の退廃にあるだろう。これはまったく確かなことである。