量子コンピュータはどうなるか

Googleがついに「量子超越性」なるものを達成したという。

「量子超越性」が何を意味するのかはさておき、量子コンピュータが非常な可能性を秘めた技術であることは確かである。

 

量子コンピューターの意義は、従来型のコンピュータが、ある時間をかけて1しかできないことを、量子コンピュータであれば、2^nできるということにある。そうはいっても、観測によって得られる結果は2^nの答えのうちのひとつだから、全て網羅的な結果を得られるわけではない。たとえばひとつの解を得ればよいだけの場合や、組み合わせ論的な問題に関しては、実に有用なわけである。

 

ペンローズ氏による量子脳理論が、茂木健一郎さんによって紹介されてから久しい。人間の脳が量子コンピュータであるということはありそうな話ではある。意識の問題が、量子の収束問題と関係するのではないかという推測ももっともだ。

 

NN(ニューラルネットワーク)と、量子コンピュータが組み合わさり、高度な制御理論によって統合されることによって、シンギュラリティが起こるだろう。

その時人類がどうなるのかはわからない。レイ・カーツワイル氏の予言を真剣に受け止めている人間はどれだけいるのだろうか。

(ちなみに、最近の現代哲学者が「意識」の問題、「心の哲学」などというものを持ち出して、AIの不可能性を説いたりしているようだが、見当違いだし、まったく無用なことである。「意識」の問題が、シンギュラリティの可能性に対して何の障壁にもならないことは、意外に多くの人がわかっていないようである。)