政治力が経済力に勝利しなければならないことについて

経済という怪物を手懐けるのが政治の仕事である。

 

そういう意味で、今の世の中はうまくいっていないと言わざるを得ない。

経済の方が、力を持ちすぎているのである。

政治の方が、経済のほうに首輪をつけられて、リードに繋がれて散歩させられているような状況である。

 

例えば、今の少子化の問題、何が悪いか。

女の最も重要な役割は子供を産むこと、育てることである。

それなのに、女を労働者にしたてあげようとしている。

これは資本主義という怪物の悪だくみにすぎない。

女というのは、よく消費してくれるから、彼女たちが子供をうまずに、色々旅行なり、おしゃれなりにお金を使ってくれるほうがいいわけである。そのためには、彼女たちが自由になるお金を自ら稼ぎ出してもらったほうがよい。

こういう風に考えて、経済界主導で、男女共同参画は取り決められたのであった。

 

こういう悪しき風潮に政治が、ガツンと喝をいれなければならないのに、そういう力がいまの政治にはない。それで、手をこまねいて、本音も言えずに。

 

例えば、江戸時代なんかは、商人と違って、武士は食わねどつまようじと言われたように、貧乏でも刀、暴力は独占していた。これでバランスが取れていたわけである。つまり、道徳の守護者として、武士は極めて政治的な存在であった。

江戸時代のほうが、現代よりも成熟した社会だった。

 

女というのは、子供を産み育てるだけではなくて、家庭文化、生活文化の保護者にして、継承者でもあった。そして、生活文化は、その国のあらゆる文化を規定する根本である。こういうものが、すべて失われていていっている。

 

人間というものを、空疎な理想論ではなくて、真実の目で直視するべきである。現実の人間、生きている人間の、本当の生活、本当の道徳とはなんなのか。そういうものをしっかりわかって、経済というわがままな怪物を、手懐けられるだけの政治家があらわれないといけない。